「125ccエンジンを使った新基準原付なら、出力制限を解除すれば普通の125ccバイクのように走れるのでは?」
と考えていませんか。
最高速度30km/hや二段階右折など、従来の原付と同じ交通ルールが残っているため、
「125ccなのに、なぜ普通の125ccバイクとは違うのだろう?」
「4.0kWに抑えているだけなら、解除できるのでは?」
と疑問に感じる方もいるでしょう。
また、「ECUなどの制御を変更すれば速くなるのか」「解除した場合は原付二種として登録し直せるのか」と気になっている方もいるかもしれません。
ただし、新基準原付は単純に「125ccバイクへ速度リミッターを付けただけ」の車両ではありません。
総排気量50cc超~125cc以下のエンジンを使いながら、最高出力を4.0kW以下に制御することで原付一種として扱われる仕組みになっています。
この記事でわかること
- 新基準原付の出力制限はどのような仕組みなのか
- リミッター解除やECU書き換えで普通の125ccと同じようにできるのか
- 出力制限を解除した場合、免許やナンバーはどうなるのか
- 解除すると最高速度やパワーはどうなると考えられるのか
- 30km/h制限などから解放されたい場合、どんな選択肢があるのか
「解除できるかどうか」だけでなく、解除した車両を実際にどう扱うことになるのかまで確認したうえで、自分に合った方法を考えていきましょう。
そもそも新基準原付とは?新しく発売された125ccモデルの特徴と規格
新基準原付とは、2025年4月1日から原付一種に追加された新しい区分基準です。
対象になるのは、総排気量50cc超~125cc以下で、最高出力を4.0kW以下に制御した二輪車です。
ここで注意したいのは、125cc以下なら、どんなバイクでも原付免許や普通自動車免許で乗れるわけではないという点です。
最高出力が4.0kWを超える一般的な125ccバイクは従来どおり原付二種であり、原付免許や普通自動車免許だけでは運転できません。
一方、新基準原付は最高出力を4.0kW以下に抑えることで、原付免許や普通自動車免許で運転できます。
交通ルールも従来の原付一種と同じで、
- 最高速度30km/h
- 条件に該当する交差点では二段階右折
- 二人乗り禁止
- 最大積載重量30kg
- 白色ナンバープレート
となっています。
軽自動車税も従来の原付一種と同じ年額2,000円です。
つまり、新基準原付は、「普通の125ccバイクを原付免許でも乗れるようにしたもの」ではなく、125cc以下のエンジンを使いながら原付一種の基準に合わせた車両と考えるとわかりやすいでしょう。
新基準原付と従来の50ccモデルの違いを徹底比較!運転や性能の変化は?
新基準原付と従来の50cc原付との大きな違いは、エンジンの排気量です。
従来の原付一種は50cc以下でしたが、新基準原付では50ccを超え125cc以下のエンジンを使用できます。
ただし、最高出力は4.0kW以下に制御されています。
| 項目 | 従来の50cc原付 | 新基準原付 |
|---|---|---|
| 総排気量 | 50cc以下 | 50cc超~125cc以下 |
| 最高出力 | 排気量による区分 | 4.0kW以下 |
| 必要免許 | 原付免許以上 | 原付免許以上 |
| 法定最高速度 | 30km/h | 30km/h |
| 二段階右折 | 条件により必要 | 条件により必要 |
| 二人乗り | 不可 | 不可 |
| 最大積載重量 | 30kg | 30kg |
| ナンバー | 白 | 白 |
| 軽自動車税 | 年額2,000円 | 年額2,000円 |
交通ルールや免許区分を見ると、従来の50cc原付とほとんど変わりません。
一方、110cc~125ccクラスのエンジンや車体をベースにできるため、発進や坂道では従来の50ccより余裕を持たせたモデルがあります。
たとえば、ホンダのスーパーカブ110 Liteは109ccエンジンを搭載しながら最高出力を3.5kWに設定。
Dio110 Liteも109ccで最高出力3.7kWとなっています。
ヤマハJOG ONEは124ccエンジンをベースに、最高出力4.0kW以下の新基準原付として販売されています。
ここが、今回の「リミッター解除」を考えるうえでも重要なポイントです。
排気量が125cc以下だからといって、そのまま通常の原付二種と同じ性能・仕様になっているわけではありません。
国内主要メーカー(ホンダ・ヤマハ・スズキ)の新基準原付おすすめ車種一覧
2026年8月現在、国内主要メーカーで市販されている新基準原付として確認できるのは、ホンダとヤマハのモデルです。
| メーカー | 車種 | 排気量 | 最高出力 |
|---|---|---|---|
| ホンダ | Dio110 Lite | 109cc | 3.7kW |
| ホンダ | スーパーカブ110 Lite | 109cc | 3.5kW |
| ホンダ | スーパーカブ110 プロ Lite | 109cc | 3.5kW |
| ホンダ | クロスカブ110 Lite | 109cc | 3.5kW |
| ヤマハ | JOG ONE | 124cc | 4.0kW以下 |
ホンダは「Honda Liteシリーズ」として4車種を展開し、ヤマハからはJOG ONEが販売されています。
一方、2026年8月24日時点では、スズキから新基準原付に該当する市販ガソリンモデルは確認できません。
アドレス125などの125ccスクーターは販売されていますが、こちらは最高出力が4.0kWを超える通常の原付二種です。
同じ110~125ccクラスでも、新基準原付なのか、通常の原付二種なのかで免許や交通ルールが変わることを押さえておきましょう。
新基準原付のリミッターとは?出力制限の仕組みとその役割
新基準原付について調べていると、
「125cc本来の性能をリミッターで抑えているだけなのでは?」
と思う方もいるでしょう。
ただし、新基準原付は単純に30km/hで作動する速度リミッターを付けた125ccバイクではありません。
新基準原付で重要なのは、総排気量50cc超~125cc以下のエンジンの最高出力を4.0kW以下に制御していることです。
国土交通省の保安基準では、このための仕組みを「最高出力抑制装置」と呼んでいます。
最高出力抑制装置は、エンジンの最高出力が4.0kWを超えないよう、自動的かつ継続的に制御する必要があります。
また、その方法はECUなどを使った電気式だけに限定されているわけではなく、法令上は機械式も認められています。
つまり、「ECUに入っている速度制限を解除すれば、普通の125ccになる」と単純に考えることはできません。
なお、最高出力4.0kW以下という基準と、公道での最高速度30km/hは別の話です。
4.0kW以下は新基準原付として扱われるための車両側の基準。30km/hは原付一種に適用される交通ルールです。
さらに、新基準原付には最高出力を簡単に変更できないようにする基準も設けられています。
国土交通省の保安基準では、
- 最高出力の変更や設定解除を容易にできないこと
- 最高出力抑制装置や、その作動に必要な接続部を容易に分離できないこと
などが求められています。
「125ccベースなら簡単に制限を外せるのでは?」という点は、制度を作る段階から想定されているわけです。
SNSやニュースで話題!リミッター解除の噂と実態を徹底検証
新基準原付について、
「もともと125ccクラスのエンジンなら、制限を外せば普通の125ccと同じ性能になるのでは?」
と考える方もいるかもしれません。
実際、現在販売されている新基準原付には、既存の原付二種をベースに開発されたモデルがあります。
たとえばHondaのDio110 Liteは、Dio110のエンジンをベースとして、新基準原付に合わせ最高出力3.7kWのパワートレインに最適化されています。
スーパーカブ110 Liteもスーパーカブ110をベースとしており、最高出力は3.5kWです。
ヤマハJOG ONEについても、JOG125で使われている124ccエンジンをベースに、最高出力4.0kW以下の新基準原付として開発されています。
ここだけを見ると、
「ECUの設定を変えれば、ベース車と同じ性能に戻せるのでは?」
と思うかもしれません。
しかし、メーカーは新基準原付の最高出力を、どの部品や制御によって抑えているのかという詳細までは公表していません。
Hondaも単に「リミッターを追加した」と説明しているのではなく、新基準原付に合わせたパワートレインとして開発しています。
そのため、ECUを書き換えたり交換したりするだけで、ベースとなった原付二種と同じ性能になると断定できる根拠はありません。
新基準原付を、「昔の50cc原付のリミッターカットと同じ感覚で解除できる車両」と考えないほうがよいでしょう。
簡単にできる?新基準原付のリミッター解除方法と必要なパーツ
では、新基準原付のリミッター解除には、どのようなパーツが必要なのでしょうか。
2026年8月現在、すべての新基準原付に共通する、「このパーツを交換すれば解除できる」という方法は確認できません。
そもそも新基準原付に搭載されているのは、単純な速度リミッターではなく、最高出力を4.0kW以下に保つための「最高出力抑制装置」です。
しかも国土交通省の基準では、最高出力抑制装置について、「最高出力の変更及び設定の解除が容易にできるものであってはならない」とされています。
最高出力を制御する方法も機械式・電気式の両方が認められているため、
「ECUを書き換えれば解除できる」
「配線を変更すれば解除できる」
と車種を問わず一括りにすることもできません。
市販されているHonda LiteシリーズやヤマハJOG ONEについても、メーカーから具体的な解除方法は公表されていません。
そのため、ネット上で見かける方法をそのまま新基準原付へ当てはめるのは避けたほうがよいでしょう。
そして、ここで本当に気になるのは、「解除できるかどうか」より、最高出力を4.0kW超へ変更した車両をその後どう扱うことになるのかではないでしょうか。
原付免許や普通自動車免許のままで乗れるのか。ナンバーを変更すれば原付二種として走れるのか。
次からは、リミッター解除と免許・ナンバー・車両区分の関係を確認していきます。
新基準原付のリミッター解除は法的に可能か?ルールと規制を解説
新基準原付のリミッターを解除すると、法律上はどうなるのでしょうか。
ここで最初に押さえておきたいのは、最高出力が4.0kWを超えた時点で、その車両は新基準原付の条件から外れるということです。
新基準原付として原付免許や普通自動車免許で運転できるのは、総排気量50cc超~125cc以下で、最高出力が4.0kW以下に制御された車両に限られます。
何らかの改造によって最高出力が4.0kWを超えた場合、道路交通法上は普通自動二輪車として扱われます。
そのため、出力制限を解除した車両を、白ナンバーの新基準原付のまま原付免許や普通自動車免許だけで走ることはできません。
道路運送車両法上でも、新基準原付は第一種原動機付自転車ですが、50cc超~125cc以下で最高出力4.0kWを超える車両は第二種原動機付自転車に区分されます。
ここで、
「それなら解除したあと、ピンクナンバーへ変更すれば普通の125ccとして乗れるのでは?」
と思う方もいるでしょう。
しかし、出力制限を解除すれば自動的に原付二種として登録し直せるわけではありません。
現在販売されている新基準原付は、最高出力4.0kW以下の第一種原動機付自転車として認定・販売されています。
最高出力を変更した場合には、車両区分や保安基準への適合、登録に必要となる証明などを改めて確認する必要があります。
国土交通省の「最高出力確認制度」も、最高出力が4.0kW以下で新基準原付に該当することを確認するための制度であり、4.0kWを超えた車両を簡単に原付二種として登録し直すための制度ではありません。
そのため、「解除する → ピンクナンバーへ変更する → 普通の125ccとして合法的に乗る」という単純な手続きだとは考えないほうがよいでしょう。
リミッター解除で運転できる免許区分とナンバー登録の取り扱い
新基準原付の最高出力を4.0kW超へ変更した場合、原付免許や普通自動車免許だけでは運転できません。
道路交通法上、最高出力4.0kWを超える50cc超~125cc以下の二輪車は普通自動二輪車に該当するため、運転するには、普通自動二輪車免許(小型限定を含む)以上が必要です。
つまり、「普通自動車免許しか持っていないけれど、リミッターを解除すれば125ccとして走れる」という使い方はできません。
ナンバープレートについても注意が必要です。
新基準原付は排気量が110ccや125ccクラスであっても、第一種原動機付自転車なので白色のナンバープレートが交付されます。
一方、通常の第二種原動機付自転車は、
- 50cc超~90cc以下:黄色
- 90cc超~125cc以下:ピンク色
となります。
現在販売されているDio110 Liteやスーパーカブ110 Lite、JOG ONEなどは90ccを超えているため、排気量だけを見れば通常の原付二種ではピンクナンバーに相当します。
ただし、「出力を上げたので、市役所で白ナンバーを返してピンクナンバーをもらえばよい」という単純な話ではありません。
出力変更後に第二種原動機付自転車として適法に扱えるかどうかは、改造内容や保安基準への適合、必要な証明なども含めて確認する必要があります。
リミッター解除を考えるうえで本当に問題になるのは、「解除できるかどうか」ではなく、「解除後の車両を適法な状態で公道使用できるのか」という点です。
30km/h制限や二段階右折から解放されたいだけなら、リミッター解除による原付二種化を前提に考えるより、通常の原付二種へ乗る方法も含めて考えたほうが整理しやすいでしょう。
リミッター解除による性能向上の現実!最高速度やパワー、出力変化の実際
新基準原付について、
「125ccベースなら、出力制限を解除すれば普通の125ccと同じくらい速くなるのでは?」
と気になる方もいるでしょう。
しかし、2026年8月現在、市販されている新基準原付の出力制限を変更した場合に、最高出力や最高速度が具体的にどこまで上がるのかを示したメーカー公式データはありません。
そのため、
「解除すれば○km/h出る」
「ベースとなった125ccモデルと同じ性能になる」
と断定することはできません。
たしかに、新基準原付と通常の原付二種で同系統のエンジンが使われている例はあります。
たとえばHondaのDio110 Liteは109ccで最高出力3.7kW、最大トルク7.6N・mです。
一方、通常のDio110は同じ109ccで、最高出力6.4kW、最大トルク9.0N・mとなっています。
スーパーカブについても、
| 車種 | 最高出力 | 最大トルク |
|---|---|---|
| スーパーカブ110 Lite | 3.5kW | 6.9N・m |
| スーパーカブ110 | 5.9kW | 8.8N・m |
と性能に違いがあります。
ただし、これはそれぞれの市販車として公表されている数値です。
スーパーカブ110 Liteの出力制限を変更すれば、そのままスーパーカブ110と同じ5.9kWになるという意味ではありません。
新基準原付は、単純な速度リミッターだけで性能を落としていると確認されているわけではなく、メーカーが新基準原付に合わせてパワートレインを最適化しています。
一方、新基準原付は標準状態でも、従来の50cc原付より低速トルクに余裕を持たせたモデルがあります。
ヤマハが公表している従来のJOGとJOG ONEの比較では、
- JOG(50cc):4.1N・m/6,000rpm
- JOG ONE:7.7N・m/3,000rpm
となっています。
スーパーカブでも、従来のスーパーカブ50が3.8N・mだったのに対し、スーパーカブ110 Liteは6.9N・mです。
つまり、「発進や坂道がつらいからパワーアップしたい」という不満であれば、新基準原付はそもそも従来の50ccとは走りの特性が異なります。
ただし、法定最高速度30km/hや二段階右折など、原付一種としての交通ルールは変わりません。
「もっと速く走りたい」という不満と、「発進や坂道をもう少し楽に走りたい」という不満は分けて考えたほうがよいでしょう。
解除した場合の走行評価と扱いの注意点、右折や速度制限のリスク
では、実際に新基準原付の出力制限を変更した場合、
「加速はどのくらい良くなるのか」
「最高速度は何km/hになるのか」
という点はどうなのでしょうか。
先ほど説明したとおり、現時点では改造後の信頼できる公式な走行データはありません。
さらに、最高出力が4.0kWを超えれば新基準原付の条件から外れるため、白ナンバー・原付免許や普通自動車免許のまま公道を走れるわけでもありません。
一方で、「出力を上げてピンクナンバーにすれば、すぐ普通の125ccとして使える」とも限りません。
もし求めているのが、
- 30km/h制限をなくしたい
- 二段階右折を避けたい
- 125ccクラスの性能で走りたい
という使い方であれば、リミッター解除にこだわらず、最初から通常の原付二種を選ぶ方法もあります。
新基準原付をどこまで改造できるかを考えるより、自分が欲しい走り方に合う車両区分を選ぶほうが判断しやすいでしょう。
原付二種なら実際にどの程度の性能があるのか気になる方は、125ccスクーターの馬力・性能を比較すると、車種ごとの違いを確認できます。
新基準原付リミッター解除のコストや価格、ECU交換など改造費用の実際
新基準原付のリミッター解除について、
「ECUを書き換えたり交換したりすれば、数万円くらいで普通の125ccに近づけられるのでは?」
と考える方もいるかもしれません。
しかし、2026年8月現在、新基準原付の出力制限解除に必要な費用を「○万円」と一律に示せる状況ではありません。
そもそも、新基準原付の最高出力を4.0kW以下に抑える仕組みは、単純な速度リミッターとは異なります。
市販車についても、メーカーは「ECUだけで出力を落としている」とは説明していません。
たとえばHondaはDio110 Liteについて、Dio110のエンジンをベースにしながら、最高出力3.7kWのパワートレインに最適化したモデルとしています。
そのため、
- ECUを交換する
- ECUを書き換える
- 配線を変更する
といった特定の作業だけで、通常のDio110と同じ性能になるとは断定できません。
JOG ONEについても、ヤマハから出力制限を解除する方法は公開されていません。
2026年8月時点では、メーカーが認めた「解除キット」や標準的な作業料金もないため、「部品代○万円+工賃○万円で解除できる」という前提そのものが現状では成り立ちません。
また、改造後の故障にも注意が必要です。
Hondaは、法令に違反する改造やメーカーが認めていないエンジンチューンなどに起因した不具合については、メーカー保証を適用しないと案内しています。
改造しただけで車両すべての保証が必ずなくなるという意味ではありませんが、出力変更が原因となった不具合について保証修理を受けられない可能性があります。
さらに、考えるべきコストは部品代や工賃だけではありません。
先ほど説明したとおり、出力を上げたあとにピンクナンバーへ変更するだけで普通の125ccとして乗れるわけではないため、出力変更後の車両を適法に使用できる状態へできるのかという問題もあります。
ここで参考になるのが、最初から販売されている通常の原付二種との価格差です。
2026年8月現在のメーカー希望小売価格を比較すると、次のようになっています。
| 車種 | 区分 | メーカー希望小売価格 |
|---|---|---|
| Dio110 Lite | 新基準原付 | 239,800円 |
| Dio110・ベーシック | 原付二種 | 250,800円 |
| JOG ONE | 新基準原付 | 259,600円 |
| JOG125 | 原付二種 | 270,600円 |
Dio110 LiteとDio110・ベーシックの価格差は11,000円。
JOG ONEとJOG125についても11,000円です。
もちろん、それぞれ装備や仕様が異なるため、価格差だけでどちらを選ぶべきかは決められません。
また、原付免許や普通自動車免許しか持っていない場合は、通常の原付二種に乗るために普通自動二輪車免許(小型限定を含む)以上が必要です。
ただ、すでに必要な二輪免許を持っている人が、出力解除を前提に新基準原付を選ぶメリットは考えにくいでしょう。
解除方法や費用が確立していない車両へ手を加えるより、最初から原付二種として設計・販売されているモデルを選ぶことができます。
コストと手間をかけてもリミッター解除のメリットはある?専門家の意見
では、今後出力変更の方法が見つかったとして、あえて新基準原付を改造するメリットはあるのでしょうか。
新基準原付は、「125cc以下のエンジンを搭載しながら、最高出力4.0kW以下なので原付免許や普通自動車免許で乗れる」ことに大きな意味があります。
その最高出力を4.0kWより大きくすれば、新基準原付としての条件から外れ、原付免許や普通自動車免許だけでは運転できなくなります。
一方、通常の原付二種であれば、原付一種の30km/h制限や二段階右折の義務はありません。
つまり、「新基準原付の発進や坂道での余裕は欲しいが、原付免許のまま乗りたい」のであれば、新基準原付を標準状態で使う意味があります。
反対に、
「30km/h制限をなくしたい」
「二段階右折をしたくない」
「125ccクラスの性能で走りたい」
という目的でリミッター解除を考えているのであれば、最初から通常の原付二種を選ぶ方法も含めて考えたほうがよいでしょう。
私自身、大学生のころに初めて乗った原付はYB-1(50cc)でした。その後、普通自動二輪免許を取得し、スズキのインパルス400に乗っています。
結婚後にバイクは手放しましたが、今も原付二種を探しています。
50cc原付から二輪免許を取得して別の区分へ移った経験があるので、30km/h制限や二段階右折が不満であれば、車両を無理に改造するだけでなく、免許を取得して乗れる車両区分そのものを変えるという選択肢も現実的だと感じています。
特に普通自動車免許しか持っていない場合は、「新基準原付を改造するか」ではなく、「二輪免許を取得して通常の原付二種へ乗るか」という比較になります。
普通自動車免許を持っていて原付二種を検討している方は、普通免許から小型二輪免許を取得する流れも確認してみてください。
不正改造は絶対ダメ!リミッター解除の法的リスクとメーカーの対策動向

原付二種のある暮らし・イメージ
新基準原付について、
「125ccベースなら、どこかの制御を変更すれば簡単に普通の125ccへ戻せるのでは?」
と思う方もいるでしょう。
しかし、新基準原付は最初から最高出力を簡単に変更されることも想定して制度が作られています。
国土交通省は、新基準原付の導入に合わせて最高出力に関する不正改造を防止するための保安基準を設けています。
最高出力抑制装置には、
- 最高出力の変更や設定解除を容易にできないこと
- 装置や作動に必要な接続部を容易に分離できないこと
といった基準も設けられています。
つまり、新基準原付は単に、「普通の125ccへ簡単なリミッターを付けただけの車両」として作られているわけではありません。
Honda LiteシリーズやヤマハJOG ONEについても、メーカーが新基準原付として基準に適合する仕様で販売しています。
一方で、
「ECUを書き換えられないよう、今後さらに対策される」
「解除キットが出たらメーカーが対策する」
といった将来の話までは、現時点で断定できません。
ネット上の予測と、すでに決められている制度や保安基準は分けて考えたほうがよいでしょう。
リミッター解除について考える際は、「どうやって解除するか」より、「解除したあと、その車両を適法に使えるのか」のほうが重要です。
もし30km/h制限や二段階右折、125ccクラスの走行性能に不満があり、それを解消するために出力変更まで考えているのであれば、通常の原付二種を選ぶ方法も含めて考えたほうがよいでしょう。
新基準原付リミッター解除に関するQ&Aとよくある質問一覧(よく検索される疑問集)
新基準原付のリミッター解除について、よくある疑問をまとめました。
Q:新基準原付のリミッター解除は違法ですか?
「リミッター解除」という作業そのものを、すべて一律に違法とはいえません。
ただし、最高出力を4.0kW超へ変更すると新基準原付の条件から外れるため、その状態の車両を白ナンバーのまま、原付免許や普通自動車免許だけで公道走行することはできません。
Q:リミッターを解除すると、どのくらい速くなりますか?
2026年8月現在、出力制限を変更したHonda LiteシリーズやヤマハJOG ONEについて、メーカーが最高速度や最高出力を公表したデータはありません。
そのため、「解除すれば○km/h出る」「普通の125ccと同じ性能になる」とは断定できません。
Q:リミッターを解除しても最高速度30km/hですか?
新基準原付として使用する場合は、従来の原付一種と同じく法定最高速度は30km/hです。
一方、最高出力を4.0kWより大きくすれば新基準原付の条件から外れるため、「解除してパワーを上げても、原付一種のまま30km/h制限だけが残る」という理解も正確ではありません。
Q:リミッター解除後はどの免許が必要ですか?
最高出力4.0kWを超える50cc超~125cc以下の二輪車を運転するには、普通自動二輪車免許(小型限定を含む)以上が必要です。
普通自動車免許を持っていても、それだけでは運転できません。
Q:リミッターを解除してピンクナンバーに変更すれば合法になりますか?
単純に、
「解除する」
↓
「ピンクナンバーへ変更する」
↓
「普通の125ccとして乗る」
という手続きが自動的に認められるわけではありません。
出力変更後に第二種原動機付自転車として適法に扱えるかどうかは、車両区分や保安基準への適合、必要な証明などを確認する必要があります。
Q:Dio110 Liteを改造すれば普通のDio110と同じになりますか?
同じになるとは確認されていません。
Dio110 LiteはDio110のエンジンをベースにしていますが、Hondaは新基準原付向けに最高出力3.7kWのパワートレインへ最適化したモデルとして販売しています。
ECUなど特定の部品を交換するだけで、通常のDio110と同じ仕様・性能になるという公式情報はありません。
Q:リミッター解除するとメーカー保証はなくなりますか?
改造しただけで、必ず車両全体のメーカー保証がすべてなくなるとは限りません。
ただし、メーカーが認めていない改造などに起因する不具合は、保証の対象外となる可能性があります。
具体的な扱いはメーカーや販売店へ確認してください。
Q:リミッター解除すると自賠責保険や任意保険は無効になりますか?
リミッターを解除しただけで、すべての保険が自動的に無効になるとは一概にいえません。
ただし、出力変更によって車両区分や登録内容が変わる場合は、加入している保険会社や代理店への確認が必要です。
Q:新基準原付は簡単にリミッター解除できないよう対策されていますか?
はい。
新基準原付には、最高出力の変更や設定解除を容易にできないことなど、最高出力抑制装置に関する基準が設けられています。
そのため、「125ccベースだから簡単にフルパワー化できる」とは考えないほうがよいでしょう。
Q:30km/h制限や二段階右折が嫌なら、どうするのが現実的ですか?
リミッター解除を考えている理由が、
「30km/hでは遅い」
「二段階右折をしたくない」
「125ccクラスの性能で走りたい」
というものであれば、通常の原付二種に乗る方法もあります。
通常の原付二種に乗るには、普通自動二輪車免許(小型限定を含む)以上が必要ですが、原付一種の30km/h制限や二段階右折の義務はありません。
新基準原付の出力制限をどう解除するかを考えるより、求めている使い方によっては、最初から原付二種を選ぶほうがシンプルです。
「二輪免許を取るのに時間がかかりそう」と気になる方は、AT小型限定免許を2日で取得できる条件も確認してみてください。
まとめ:新基準原付リミッター解除の総まとめと今後の動き、利用上の注意点
新基準原付のリミッター解除について見てきましたが、「125ccベースなら、制限を外せば普通の125ccとして走れるのでは?」という疑問に対しては、単純にそうとはいえません。
新基準原付は、最高出力を4.0kW以下に制御することで原付一種として扱われています。
しかも、単純な速度リミッターだけで性能を抑えていると確認されているわけではないため、「ECUを書き換えればフルパワーになる」「解除すればベースとなった125ccと同じ性能になる」とは断定できません。
何らかの方法で最高出力を4.0kW超へ変更した場合は新基準原付の条件から外れ、原付免許や普通自動車免許だけでは運転できなくなります。
また、「出力を上げたらピンクナンバーへ変更すれば、普通の125ccとして乗れる」と単純に考えることもできません。
つまり、リミッター解除を考える場合は、「技術的に解除できるのか」だけでなく、「解除したあと、その車両を適法に使えるのか」まで考える必要があります。
一方、
「30km/h制限が不便」
「二段階右折をしたくない」
「125ccクラスの性能で走りたい」
という理由からリミッター解除を考えているのであれば、通常の原付二種を選ぶという方法もあります。
実際に125ccを購入するところまで考え始めた方は、中古125ccスクーターのおすすめ・選び方も参考にしてください。
【今回のまとめ】
- 新基準原付は50cc超~125cc以下・最高出力4.0kW以下の車両
- ECU交換などで普通の125ccと同じ性能になるという公式情報はない
- 最高出力を4.0kW超へ変更すると、新基準原付の条件から外れる
- 原付免許や普通自動車免許のまま、出力変更後の車両を公道走行することはできない
- ピンクナンバーへ変更すれば自動的に原付二種として乗れるわけではない
- 30km/h制限や二段階右折をなくしたいなら、通常の原付二種も選択肢になる
新基準原付は、「125ccを原付免許で自由に乗れるようにした制度」ではありません。
原付免許や普通自動車免許のまま乗りたいのであれば新基準原付を標準状態で使い、30km/h制限や二段階右折から解放されたいのであれば、小型限定を含む普通自動二輪車免許を取得して通常の原付二種に乗るという選択肢があります。
「解除できるか」だけで考えず、最終的にどのような使い方をしたいのかで選ぶと判断しやすいでしょう。